Snow Man向井康二 映画『(LOVE SONG)』ネタバレレビュー|再会が奏でる“未完成の恋”と静かな愛

love song 邦画

2025年10月31日に公開したSnow Manの向井康二が主演を務めた『(LOVE SONG)』。森崎ウィンとの共演で描かれるのは、再会から始まる“未完成の恋”の物語だ。東京とバンコクを舞台に、音楽を通して紡がれる静かな愛と、伝えられなかった想い。本記事では、ネタバレを含めながら向井康二の演技と物語の核心に迫る。

映画『(LOVE SONG)』基本情報

  • 監督:チャンプ・ウィーラチット・トンジラー(『2gether』監督)
  • 主演:向井康二(Snow Man)
  • 共演:森崎ウィン、藤原大祐、齊藤京子、及川光博 ほか
  • 公開日:2025年10月31日
  • 作品概要:
    東京とバンコクを舞台に、再会した二人の青年が“未完成の曲”を通じて心を通わせていくラブストーリー。音楽・友情・恋愛が静かに交差する本作は、日タイ合作ならではの色彩と情感で描かれている。

あらすじ(ネタバレあり)|“未完成の曲”がつなぐ再会と想い

化学メーカーの研究員・ソウタ(森崎ウィン)は、突然の辞令でバンコク勤務を命じられる。新しい生活に戸惑いながら迎えた渡航初日、彼の前に現れたのは、大学時代の同級生・カイ(向井康二)だった。かつてソウタは、カイに恋心を抱きながらも気持ちを伝えられずにいた。そしてある日、カイは何も言わずに大学から姿を消した。

再会を果たした二人は、ぎこちないながらも少しずつ距離を縮めていく。カイはカメラマンとして活躍する傍ら、趣味の音楽を続けており、学生時代から作り続けていた“未完成の曲”を再び手にしていた。カイはライブでその曲を披露する。そのメロディを聴きながら、ソウタの中で止まっていた時間が静かに動き出す。

しかし、ソウタはその曲が自分ではない誰かへの想いを歌っているのだと感じ、抑えきれない涙を流す。「叶うはずのない恋なんだ」と悟ったソウタは、ライブの夜、ひとりで酒をあおり、泥酔してしまう。だが――その曲は、カイがソウタを想って作った曲だった。
ライブのあと、会場から姿を消したソウタを探し回るカイ。ようやく連絡がついたソウタを自宅に連れ帰り、二人は夜の静けさの中で、学生時代の思い出を語り合う。同じベッドで語らいながら、次第に言葉が減っていく。眠ったように見えるカイに、ソウタはそっとキスを落とす。しかし、眠っていると思われたカイは起きていた。すれ違っていた想いが、ようやく重なり合う。

翌朝、昨夜の出来事を夢だと思い込んでいたソウタは、カイが作った朝食を前に問いかける。「なぜ、大学のとき姿を消したんだ?
あの頃、ユキを妊娠させたって噂があったけど……」カイは静かに答える。「お前は、噂を信じたのか?俺が初めてキスをした相手はお前だ。……そして、2回目も。」

高校時代、カイがソウタの家に泊まりに来た夜。眠るカイにソウタはキスをした。ずっと心の奥にしまい込んでいた想いが、今ようやく現実として戻ってきたのだ。

昨夜の出来事が夢ではなかったと悟ったソウタに、カイは優しく微笑む。「もし覚えてないなら……3回目のキスをしよう」

けれど、幸せは長く続かない。突然の安堵と同時に、ソウタの中に不安が押し寄せる。「またいなくなるのか?」恐れと怒りが入り混じった声で問い詰めるソウタ。もう二度と失いたくない、その気持ちが言葉を荒げさせた。カイは何も言い返さず、ただ静かに目を伏せる。彼には、ソウタと一緒にいられない理由があった。高校時代、ソウタの家に泊まったあの夜――ソウタの母親に言われた言葉が、ずっと彼の心を縛っていたのだ。

「カイくんといると、ソウタの様子がおかしい。どうか、距離を置いてほしい。」その一言が、カイを逃げさせた。以来、彼はソウタへの想いを胸にしまい、報われることのない恋として生きてきた。雨の中、涙を流すカイ。「好きだ」と言えぬまま、彼は再び姿を消した。

半年後。タイでのプロジェクトを終えたソウタは帰国する。親友のヒカリから、カイが再びバンコクでライブを開くと知らされる。飛行機が苦手なソウタだったが、ひとりでタイへ向かう決意をする。しかし、到着が遅れ、ライブはすでに終わっていた。道端で夜を明かしたソウタは、静まり返った街をカイの曲を聞きながらひとり歩く。そんな彼の背後から、優しい声が響く。「何聞いてんの?」振り向くと、そこにはカイが立っていた。光の差す夜の街角で、ふたりは再び向き合う。ソウタは震える声で、これまで言えなかった想いを伝える。「好きだ、カイ。ずっとお前のことが。」

カイはソウタを強く抱きしめる。「もう逃げない。」――ようやく、ふたりの“未完成のラブソング”が完成した瞬間だった。

見どころ①|向井康二が魅せる“音で語る男”カイの繊細な表現

直近でタイのBLドラマ『Dating Game』に主演したばかりの向井康二が、本作ではまったく異なる表情を見せている。カリスマ社長としての強さと自信をまとっていた前作とは対照的に、『(LOVE SONG)』ではタイでミュージシャン兼カメラマンとして活動する青年・カイを演じた。彼の内側には、言葉では伝えきれない想いと、長い時間をかけて閉じ込めてきた痛みがある。

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向井の自然体な演技が、その“静かな情熱”を繊細に表現しているのが印象的だ。とくに、ソウタを見つめるときの一瞬の表情、わずかな目線の揺れに、カイの複雑な感情が滲み出る。彼のせつない表情には、過去への後悔と、それでももう一度誰かを信じたいという希望が同居しており、観る者の胸を締めつける。

ライブシーンでの歌唱は圧巻。向井特有の柔らかくも深みのあるスモーキーボイスが、カイの心の叫びをまっすぐに届ける。静かに、そして確かに、彼の演技が観客の心に響く。

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見どころ②|森崎ウィンが体現する“抑えきれない想い”の爆発

ソウタは、真面目で優しく、誠実で潔癖な青年だ。常に周囲に気を配り、誰に対しても礼儀正しく、感情を乱すことはない。だが、カイの前では抑えがきかない。目が合えば嬉しそうに笑い、ふいに触れられると動揺を隠せない。その反応はどこか“忠実な犬”のようで、見ている側の心まで温かくする。

ソウタはカイへの想いをずっと自覚している。だが、それを言葉にできないのは“カイに受け入れてもらえない”とわかっているからだ。想いを伝えれば壊れてしまう関係を守るために、彼はあえて何も言わない選択をしている。

それでも感情は抑えきれない。雨の中、再びカイを失う恐怖に駆られたソウタが放つ「また逃げるのか?」という叫びには、積み重ねてきた理性が一瞬で崩れ落ちる痛みがにじむ。森崎ウィンはその瞬間、優しさと苦しさ、そして愛のすべてをひとつの表情で描き出す。向井康二演じるカイの衝動的な情熱と対をなす、静かな激情がここにある。

見どころ③|“未完成の曲”が描く、心の再生と希望

物語を貫く象徴が、カイが学生時代から作り続けてきた“未完成の曲”だ。それはソウタへの想いそのものであり、彼が言葉にできなかった愛の証でもある。再会後、カイはその曲をライブで披露するが、ソウタはそれを“別の誰かへの恋”を歌ったものだと誤解し、客席で静かに涙を流す。その姿に観客もまた、伝わらない想いの痛みを感じずにはいられない。

しかし、曲の本当の意味はソウタへのメッセージだった。「言葉にできない想いを、音で伝える」——その純粋さこそが、カイという人物の核心にある。やがてふたりの想いが交差した夜、“未完成の曲”はようやく完成へと近づく。

それでも本作は、単なるラブストーリーの成就では終わらない。再会を経て、ようやく言葉にできた想いは、恋という形を越えて、ふたりの“これから”を照らしていく。カイにとって音楽は愛の証であり、ソウタにとってはその旋律こそが再生のはじまりだった。“未完成”とは、終わりではなく、これからも響き続けるということ。その音は、ふたりが選んだ未来の希望をそっと告げている。

おわりに|“音で語る恋”が残したもの

映画『(LOVE SONG)』は、言葉にできない想いを“音”で伝える、静かであたたかいラブストーリーだ。向井康二は、感情を押し殺しながらもまっすぐに愛するカイを繊細に演じ、森崎ウィンはそんな彼に心を乱されていくソウタを、優しさと苦しさの狭間で表現した。
ふたりが見せた“触れ合わない愛”のかたちは、観る者の胸にも確かに残る。映画『(LOVE SONG)』は、2025年10月31日より全国公開中。タイと日本、ふたつの国をつなぐ音楽が、あなたの心にもきっと響くはずだ。

👉カイとソウタ、それぞれの“言葉にできない想い”をさらに掘り下げた考察はこちら

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